ロンドンインター 2010 その2

須田雅美

今回はロイヤルアルバートホールの近くにホテルを取ったので、恒例の駐車スペース探しの必要もなく、ドアオープンに間に合うぞ!と思っていましたが、私の準備が遅れてしまい…アマチュアボールルーム(ロンドンインターではスタンダードと言いません)の1次予選のクイックステップの時に到着。でも会場は心配になるほどガラガラ。隣に座るはずの三井組もまだ到着していませんでした。

<ロイヤルアルバートホール>

アマチュアラテンの1予選…正谷・齋藤組が勝ち上がってきているのを見て嬉しい反面、周りのダンサーを見るといつになくレベルが低い事に気づき、微妙な気持ちになりました。JDSFの強化合宿で教えた事もあるので大声で応援してあげたかったけど、風邪のため声出しを自粛…心の中では叫んでたんだよぅ(TへT)

プロフェッショナルボールルームの1次予選。このホールは控室が地階にあり、まるでコロッセオでのグラディエーターのように下から選手達が階段を上がってフロアに登場します。背番号を呼ばれてフロアに出てくる選手達の顔は、セレクトされてこの場にいるのだという優越感でとても晴れやかに見えます。 日本人カップルは庄司、橋本、白石、石原、本池組がアルバートホールの1次予選に登場しました。変な言い方だけど、JBDF、JCF、JDC各団体のAとKingのカードが並べられた感じ。このカードゲームは、他の国のA、K、Q…中にはJokerまで取り混ぜての勝負。ところがシャッフルしきれずに同じ国のカードが同じヒートで戦って潰し合うなんて事も起きてしまいます。今回は日本のカップルが3組も同じヒートで踊っていました。

<手前は日本の橋本組>

プロフェッショナルラテンでは本選のみ出場した瀬古組の他、ライジングスターでは成績の振るわなかった立石組と松本組が勝ち進んできていました。瀬古組はこのところベーシックテクニックを身に付け、それを駆使してバリエーションを踊れるようになってきたので、外国選手と戦えるだけの選手になったと思いました。松本組はスタイリッシュですが、何を自分達が見せたいのかちょっと分かりにくかったな…。立石組とは後で少し彼らと話をしたのですが、JBDF選手権での自分達を反省して挑んだ…というのが良かったのではないかな?と思いました。

シード選手が出てくる2予選目でも、アマチュアの両部門はイマイチな感じ。 これはイタリアやロシアなど多くの選手を抱えるIDSFに加盟する団体が、IDSFが認可していない競技会への出場を規制している事に原因があると思われます。 そんな中でも光っていたのは5位に入賞したアメリカのラテンダンサーValentin Chmerkovskiy & Dariya Chesnokovaでした。その理由の一つは、彼らのダンスが現在のアマチュア界で流行中のリチャード・ポーター風ではないからだと思います。私達は見ていて「優勝して欲しい☆」と願うほどよく踊ってた。 逆に悪目立ちしていたのは3位になったスロベニアのJurij Batagelj & Jagoda Strukelj。アラン・トンズバーグに師事していると聞きましたが、センスの悪い衣装に加えて彼にはフィットしないワザとらしい仕草が、一部のジャッジの間でも「最悪。ファイナルになんて残せない。」と言われていたようです。 リチャード・ポーターが可愛がっているイギリスのNeil Jones & Ekaterina Sokolovaは2位でしたが、全ての種目が同じような感じに見えてしまい、おそらく夏ごろに変えたと思われる振付けが踊りこなせていないように見えて残念でした。 デンマークのMartino Zanibellato & Michelle Abildtrupは、ずいぶん成熟したなぁと今年のブラックプールの時に思いましたが、今回は金髪だった彼女が黒髪のショートにイメチェンして出場したので、パートナーを変えたのかと思ってしまうほど!黒髪の方がアグレッシブなラティーナのイメージになりますね。 優勝はクロアチアのZoran Plohl & Tatsiana Lahvinovich。私は彼のなんだかキュートな顔だけが好き。踊りは別に…って感じかな。 ロシアのアレクセイ・シルデやロシアのザイチェフといったファイナル常連組が不出場だったので、6位にはドイツのFerdinando Iannaccone & Yulia Musikhinaが入賞しましたが、私達はロシアのKirill Belorukov & Elvira Skrylnikovaの今後にも注目しています。なぜならジュニアを上がった頃からロンドンでトーナやドニーのレッスンを受けていて、その成長を見ているからです。キリル君はうちの松崎君に似ているので「裕太郎」とあだ名で呼んでいます。

<クマコースキー>

<黒髪はラテンっぽい>

ロンドンインターはアマチュア準決勝が終わるまでぶっ通しで競技を行います。テンポが良く、あっという間に時間が過ぎるから大好き。 休憩時間は観客の為の時間。お楽しみのダンスタイムです。 じゃ、このへんで私も休憩しましょう。