Blackpool Dance Festival 2010
須田雅美
2010/6/10
アイルランドの火山噴火によるヨーロッパの空港閉鎖は、経済に大きな影響を及ぼしましたが、社交ダンスの世界に生きる者達にも少なからずの影響がありました。 特にヨーロッパEU各国内にいるダンサー達は競技会やレッスンのために行き来するので、ずいぶん不満を抱える人もいたようです。天災は諦めがつくとしても、ここ数年続いているBA(英国航空)のキャビンクルー(客室乗務員)によるストライキの敢行は、特にイギリスを中心としたヨーロッパ便の利用者には大変迷惑で腹立たしいできごとでした。 今回のブラックプールに出場したダンサー達、私達のような応援部隊の多くがこれを経験し、日本の労働組合のおとなしさをありがたく感じたと思います。 私達はヴァージンアトランティック航空を利用して東京‐ロンドンを往復していますが、今回はそのロンドンから国内線を網羅するBAを利用してマンチェスターに飛び、そこから車でブラックプール入りしようという計画でした。 ロンドンとひとくちに言っても空港は4つあり、一番大きな国際空港は有名なヒースロー空港で、そこには多くの長距離国際線が集結します。私達はフラットメイトだった嶺岸組とヒースローで集合してから一緒にマンチェスターへ飛び、レンタカーでブラックへ…という予定でした。 エアチケットは私がアレンジしていたので、「再び火山灰が…」というニュースと、BAのストによる欠航便に関するニュースに敏感になっていました。火山灰の様子を知らせるサイトやBAのツイッターをフォローし、様々な状況をいち早く知ることができたので、すぐに対処することができました。 世の中は数人の天才によって形成・運営されている…要するに、私のような凡人は数人の天才の恩恵を受けて生きている…まさにその通りです。インターネットの発展に感謝(−人−)
飛行機の中です
残念ながら私達が乗る予定だった便も含めてヒースローからの国内便はほとんどが欠航となり、予約を取り直し、ヒースローからガトウィック空港まで移動しなければならなくなりました。 ヒースローからはシャトルバスや車で約1時間。歩く時間や荷物の積み下ろしの時間なんかを考え、4人+でっかいスーツケース4つが乗れる、日本で言うジャンボタクシー/76ポンドを予約したほうが、バス/1人19.5ポンド払って行くよりお得…ってことで、決定!ネットで予約をしてみました。 迎えに来てくれたのはジャンボタクシーにピッタリなジャンボドライバー。ゲルマン系と見た。
ジャンボ
もうちょっと厳しい顔つきだったら、マフィアのドライバーになれるかも…って感じ。
彼は日本で知ってるのは「クロサワアキラ」だって。そのうち「ビートタケシ」って言われるようになるかな?
遠近法じゃなく、まじデカイ
それからすんなりチェックイン!と思えばネギちゃんは荷物が重いので何か出したら?と親切な係りのお姉さんに言われ、スーツを取り出してセーフ。 この頃荷物の超過には厳しいですよね。国際線と国内線、そしてヨーロッパ便ではそれぞれ免除される重量が違うので、アチコチ乗り継ぐ場合には要注意です。 ガトウィックからの飛行機にはツアーでブラックプールに向かう人達がたくさんいらっしゃいましたが、我々4人は皆さんにほぼ気付かれないほどのすっぴん普段着(笑)
集合!
マンチェスターに初上陸して驚いたのは、空港がショボイこと。 明先生が「世界でもっとも素晴らしい空港ナンバーワン」ってビジネス雑誌で読んだと話していたのですが、ガッカリでした。 日本の地方空港となんら変わりないこじんまりした空港でした。
しょぼ空港マンチェ
そこからのレンタカーは、ネギちゃん達が車が必要なホテルに宿泊すると言うことだったので、それに甘えさせてもらうことになりました。 マンチェのレンタカー屋さんで一番大きくて高級な(!)車を予約していてくれたのですが、トランクにはスーツケースが1つしか入らず、助手席に2つ、後部座席の私とドライバーの間に1つを置いて私はその上に足を投げ出して座り、人を含めた全てを詰め込むことができました。
高級車を貸して下さ~い
ブラックプールへ出発
マンチェからブラックに向かうのは全員が初めてだったのですが、地図も無く出発。市街地へ行くのならともかく、とりあえずモーターウェイ(高速道路)にのっかってLiverpoolを目指して行けばその向こうがBlackpool。 現役時代もロンドン近郊の競技会にはネギちゃんの運転で一緒に行くことが良くありました。高速道路の分岐点に近づいたときは誰かが注意をうながさなければいけません。それには「ネギちゃんの目が悪い」とか「標識が英語だから」という以外の理由があるのです。 ある競技会が終わった夜中のドライブでのできごと。その日の踊りの調子が悪かったらしく、ネギちゃんには運転に集中力がなくなっていました。高速を走行中、ロンドンをぐるっと取り巻く環状線M25に入るべき分岐点が近づいたのに気付くのが遅れてしまい、「さようならぁ〜M25ぉ〜」と言いながら通り過ぎてしまった…という「とほほ」な事件があったのです。 これは4人の中での笑い話となっていますが、それ以来全員が自然にナビゲーター役となっていたので、それ以降は間違うことはありませんでした。ところが今回、久々にやってしまいました。逆方向に乗ってしまい、危うくロンドンに向かってしまうところでした(汗)でもネギちゃんだけのせいじゃありません。明先生はうたた寝、私とおきょうちゃんの席からはおしゃべりに夢中+後部座席からは標識が見えづらかったのです。 道を間違えてもこっちの高速道路はほとんどが無料なので、次の出口で右回りのラウンダバウト(日本で言うロータリー)をグルッと回って反対方向に戻る道に乗れるので便利。 出発してから1時間もかからずブラックプールに到着。ウワサには聞いてたけど、こんなに近いんだ!とビックリ。ネギちゃん、運転ありがとう。(続く…)
ブラックプールに到着