井田さんから学んだ事 PART2

須田雅美

2009/4/25

皆さん、休憩できましたか?今回は「井田さんから学んだ事」の続きです。 前回のを読んでいない人はちゃんと読んでから戻ってきてね。

言葉を区切る場所が違ってしまうと、意味が変わってしまうから気をつけて!

単語のアタマをしっかり発声して、(セリフの)意味を伝えようとして!

私達の踊っているような競技スタイルの社交ダンスは、すでに振り付けが決まっています。 ステップを組み合わせた物をフィガーと言い、フィガーをつなぎ合わせた物をアマルガメー ションと言います。中でも、フィガーの順序を決めて踊られる物をルーティンと言います。 振り付けという意味で使われるルーティンには、単なるステップ(足型)の順番だけでなく、 音楽の取り方(表現の仕方)、ステップやフィガーのコンビネーションによって変化する男女 の位置関係や腕の動かし方など、多くの要素の約束事が詰め込まれています。 しかも、踊る目的は「身体を使ってリズム表現をしながら、 単なる運動としてだけではなく感情表現をも見せる」という事で、 この「見せる」すなわち「他人が理解できるように表現する」という事がとても大切です。

例えばドラマの中で「愛してる」というセリフがあったとしても、その裏に様々な状況や含んで いたりしますよね。両手放しで単純に明るく自分の感情を伝える場合と、秘密の感情を我慢しきれ ずに打ち明けてしまう場合…など、ちょっと考えたって絶対違いますよね?ではルンバのクカラチャ でこれを表現すると考えてみましょう。クカラチャはただ単に左右に身体を揺らして腰をクネクネ させてるわけじゃありません。体重移動による骨盤の傾斜の変化によって音楽を表現しています。 それを、『両手を大きく広げていくようにして上半身を伸ばし気味に体重移動をする』場合と、 『何かを抱きしめるように両腕を体の方にたたみながら上半身を下の方に縮めていくようにしながら 体重移動をする』場合では、音楽のとり方を同じにして踊ったとしても、見た目の重み、筋肉の伸縮 で作られるボディーランゲージによって、その踊り手の感情は違って見えるものです。 音にたとえれば前者が高くて軽いカーン・カーンだとしたら後者は低くて強いボーン・ボーンってイメージ。 ダンスでは、自分がどんな感情や音楽を表現しようとしているのかを考え、踊り分けできるような運動 のテクニックが必要です。またダンスの場合は、自分が表現したい音楽の取り方を実現させる事によって、 見ている側がそれを感情表現として受け止める場合もあります。一曲の最初から最後まで「何をどのよう に表現したいのか?」をクリアにし、本番はアドリブ無しで練習どおりに踊る事が大切です。 だって、急に「今日はこんな気分だから…」といつもと違う事をやったら、相方がビックリしちゃって 反応できませんからね。

ダンスパーティーのデモンストレーションや、競技会を観に来ている人々は、ダンサーが踊る姿の清々 しさや躍動感だけではなく、そのダンサーが今この場で踊る為に積み上げてきた努力も一緒に感じとり、 同じ空間にいる事でバーチャルな体験をできるから感動するんだと思います。

私は今回、ダンスに大切なたくさんの事を井田さんのおかげで再確認する事ができました。 先日、ぶっちゃけの会を上野の焼き鳥屋「鳥鳥鳥の店・鳥清」さんで開催して頂いたのですが、 その席でも楽しく勉強になるお話をたくさん聞かせて頂きました。

井田國彦さんに心より感謝!! そして、私達のラテンダンスに対する情熱を汲み取り、井田さんとお引き合わせ下さった小林さんにも大感謝。 これからもダンサーとして、そして指導者として努力し続けます!!

<大変勉強になりました>