小屋でリハーサル
須田雅美
2009/4/6
4月5日(日)午後3時 いよいよ「幸せの向こう側」初日の幕が上がりました。
職種や業界ごとに様々な特別の常識や「しきたり」というものが存在しますよね。ダンス界だと何かなぁ?競技会の時に更衣室が男女別になっていないとか、招待客から頂いたお祝いはそのまま包みなおしてお車代として渡すとか??
私は子供の頃からバレエを習っていたので、人々を楽しませるパフォーマンスの舞台の裏側がどうなっているのか、幾度となく見てきました。たとえば前回のもじもじに書いた楽屋での席順なども常識の一つ。
舞台監督さん、照明さん、音響さんなどのスタッフさん達がいらっしゃるリハーサルではお衣裳を着けるのが常識。おはようございます、よろしくお願い致します、ありがとうございました、お疲れ様でした…当たり前のご挨拶ですが、できない人間はダメ人間扱いされます。
役者さん達にはどんなものがあるのかな?と興味がありました。役者さんの業界も挨拶はキッチリ。子役さん達もご挨拶から教わると思います。今回のように数日間続く興行の場合は初日のご挨拶として、「初日よろしくお願い致します」と役者さんどうし、そして舞台関係のスタッフさんのほか、メイクさん、衣裳さんの全員にご挨拶して回っていました。そしてメインキャストの方や役者さん、彼らが所属するプロダクションや制作会社さんから「祝公演」とか、「祝初日」と書いた熨斗をつけた差し入れが楽屋に届いていました。アリ to キリギリスの石塚義之さんからはなんとバナナがどっさり!見た目が楽しくてすぐエネルギーになる。よく考えられた差し入れだと感心しました。
<有名子役の守山玲愛ちゃん>
初日は前日のゲネプロのダメ出しが10時半から行なわれました。本番が3時なので、スタンバイの為の時間を考えるとそんなにたくさんはできません。ゲネプロで人が出て来れなかったり、舞台の転換が上手くいかなかったりという、見た目に分かる大きなミスやハプニングは直すのが簡単。でも、初日当日にセリフがちょっと加えられたり立ち位置を変更された役者さんは大変だなぁ…と思いながら聞いていました。ダンサーの私達にはダメ出し無しでした。が、自分達のカメラで撮影してもらったビデオでチェックして、タイミングを変えたり表現を変えたり、明は霊界人を演じる役者さん達と同じように黒いマニュキュアを手の爪に塗ったり\(◎o◎)/!自分達なりに役者の皆さんと同じお芝居に出演している事を意識の中に叩き込んでいきました。わりと周りが見えてるから冷静だとは思いましたが、二人とも手にはめっちゃ汗をかいていて「出番の前には手の平を『ふうふうっ』て息のドライヤーで汗を乾かそうね(~_~;)」なんて約束をしました。
私達は緞帳が下りた状態で、板について幕開きを待つのです。舞台は客席から見て右が上手(かみて)、左側を下手(しもて)と呼びます。さて、私達はどちらの袖(幕の奥)から舞台に出て板についたでしょう?当然「上手」です。私はバレリーナ時代から「下手」って「へた」とも読めるから嫌いなんです。だからこの公演の期間中、ずっと「上手」から舞台にのるぞ〜!
初日は見に来て下さった私達の関係者の皆さんの掛け声や叫び声に支えられ、緊張で汗ばむ手をぎゅっと2人で握り合って、バッチリ踊れたと思います。まだこれから7日間あるけど、毎日マックスで頑張ります(^◇^)