予約の取れないレストラン

須田雅美

2008/6/6

今回19日に渡英しなければならなかったのにはワケがあったのです…。

1月のUK戦開催中、フラット大家のドニーに誘われて、
住人である嶺岸カップルと私達は会場に近くて日本人もよく利用するチャイニーズレストランに行きました。
この日は日本のダンス界の抱える問題について話しあう会…ではなくて、
ドニーが6月に結婚する事になったフィアンセのハイディちゃんの正式な紹介って感じのお食事会でした。
ドニーから誘われたからてっきり「おごり」だと思ってたのに、お会計になったら嶺岸カップルが財布を出した! 「余計な事してっ!」と思いつつ、仕方なく支払ったがそのおかげで降って湧いた次のお食事会の約束☆ 5月ブラックプール前にTHE IVYに行こう!「よっしゃ!」今まで何度も約束をしては立ち消えになってたから、 今回は逃すものかとみんなの予定を合わせて日にちを決定したのです。それが5月19日(月)だったのです。

機内で朝食を抜いたって我慢できたのはこの約束があったから〜♪ そう、このレストランはそのぐらいの価値があるんです。 ご存知の方もいるかもしれませんが、この「THE IVY」というレストランは予約が取れないので有名なレストラン。 劇場が集まるレスタースクエアとコヴェントガーデンの近くにあるという事もあり、 多くの芸能人やセレブが通うので有名なんです。 有名人が来店している時には外にはパパラッチ達がお店の外で待ち構えています。 ドニーは有名人だからお店の顧客名簿に名前が載ってるみたい。 当日に電話をしてもなんとかねじ込んでもらえるんです。 以前も、レストランが最も忙しくなるクリスマスホリデーの時期に当日電話をして入れてもらえた時にはビックリしました。 もちろんこうして無理矢理テーブルを用意してもらえるのは、 毎回スゴイ金額のチップをマネージャー、ドアマン、ボーイに渡しているから…っていう事をドニーの名誉の為に書いておきましょう。

ここでのお食事が毎回立ち消えになっているのはドニーが忘れてしまうから。ま、忙しいお方ですから仕方がありません。 私達とのお食事はビジネスの為ではないですから、ダイアリーにも書いていないに違いありません。 そこで今回は、渡英する前々日にメールを送りました…「19日に到着するからね。アイビーに行くのを楽しみにしてるよ!」って短く、 携帯にSMSを送ったのです。するとすぐに返事が「了解!で何人?」だって。やっぱり忘れてたんです! よかった~♪メールして。「ドニーとハイディ、私達、嶺岸カップルだよ」と送ると 「分かった。でも、ちなみに19日って決めてたっけ?」ときた…。あぁ、本当に良かったよ、メールを送って…。 すぐに予約をしたらしく、さっそく先にロンドンに入っている嶺岸組から 「ドニーが『アイビーに行こうな』って言ってくれました!」と喜びのメールが来たので、私達は安心してロンドンに向かったのです。

「到着してすぐに嶺岸組に「空港に到着したよ。ちなみに何時にレストラン予約してあるって?」と聞くと 「実はまだ聞いてない」と言うので、「もしや、まだ予約をしていないのでは?」と心配になり、 ドニーにメールをした「ロンドンに到着したよ!」と。するとしばらくして「イラシャイマセ〜」とドニーから電話が入り、 8時に予約したからねという。同時に嶺岸組からも「8時に予約したって」とメールが届いた。 きっとドニーは私の到着を知らせたメールでやっと予約をしたに違いない。 でも、いいよ、許す。だって今夜の予約をちゃんとしてくれたんだもんね!

「今日は何を食べる?」とワクワクしながらネギちゃんの運転する車でドニーのオシリにくっついて、やってきましたロンドンの中心街。 華やかな看板を掲げる劇場が立ち並ぶ界隈の一角に、ひし形模様のステンドグラスが目印の「THE IVY」は建っています。 乗りつけた車は、「コンバンワ」と日本語で挨拶をするドアマンが「私にお任せ下さい」とうやうやしく言われ、 キーと5ポンドのチップを渡して店内へ。入ると2階の個室につながる螺旋階段が左にあり、その下にクローク。 そこにまたドアがあるからますます期待に胸が踊るのよね〜♪そこを入るとウェイティングバーが右にあり、 私達はまずそこに座ってソワソワ。奥にはすでに食事でざわついたテーブルが並ぶ…「きゃー!興奮するっ☆」 フロアマネージャーがドニーに「いつもありがとうございます」といった感じで話をしている。 ドニーは彼にいつも1万円ぐらいのチップをはずんでいるはずです。 通されたテーブルはお店のど真ん中で、6人にはちょっと窮屈だけどそんな事どうでもいい。美味いもんを食わせてくれっ!

このお店はイギリス料理のお店ではありません。フレンチでもイタリアンでもない。なんだろ?なんでもあるの。 簡単に言えばホテルのコーヒーショップみたいな感じかなぁ…。もちろん味はとてもとても良い。 私達のお気に入りは前菜のフォアグラのソテー、クリスピーチキンとウォータークレスのチャイニーズ風サラダ、 チキンとココナッツのカレースープ、ワイルドマッシュルームのクリームスープ、メインのシェファーズパイ、 イカ墨のリゾット、サイドディッシュのチップス(フライドポテト)、バターナッツスクワーシュのロースト、 デザートのベイクドアラスカなどなど…。思い出すだけでもヨダレが…。

この日注文したのは明先生が例のサラダとステーキ(なんて普通なものを頼むんだ!)、 私はマッシュルームとバターナッツスクワーシュのクリームスープとシェファーズパイ、 デザートはルバーブを使ったタルト、ムース、ソルベがちょっとずつのったスイートと、 日本ではなかなか食べる事ができないものばかりを選択しました。 ちなみにバターナッツスクワーシュ(Butternut Squash)はひょうたんみたいな形の野菜で、かぼちゃに似てるかな? シェファーズパイ(Shepherd’s Pie、コテージパイとも言います)はイギリス料理として有名だけど、 牛と羊のひき肉を使うので美味しくないところだとニオイが気になって食べられないかも。 でも、ここのグレイビーソース(肉汁を煮詰めて作ったソース)はもんのすごく濃いので全く肉のニオイが気にならないのです。 下に引いてあるマッシュポテトと一緒に頂くんだけど、 途中でLea and PerrinsのWorcestershire sauce(日本で言うスターソースの本物) をかけると少しあっさりするのでもう少し食べる事ができるのです。 でも絶対全部は無理っていう量。しかし嶺岸組はさすが!全部平らげていた!!

本当に美味しかったなぁ。 ちなみに、店内での写真撮影は世界中のセレブもプライベートで来店するので、 暗黙の了解としてNG…ということで撮れませんでした、あしからず。 あ、そういえば毎日ネギちゃんと明先生が使っている銀の灰皿は、 その昔、ゲイナーの彼氏だったフリン君が明先生の為にぱくって来てくれたのですが、 今や禁煙法の施行によりお店から姿を消した貴重な代物です。

いつか行きたいレストランはロンドンに他にもあるんです。
「裸のシェフ」って番組で有名なジェイミーのお店とか、
修行中のコックさんに超厳しくて有名なゴードン・ライゼムのお店の本店とか、
日本にもあるレストランのロンドン店ノブやマンゴツリー…。
インド料理に関しては世界で一番美味しい都市はマンチェスターらしい。
2番目がロンドンで3番目がインドだったかな?腕利きのシェフを連れてきちゃうみたい。

イギリスって美味しいんですよ。本当は☆