ロンドンインターに行ってきました その2
須田雅美
ロンドンインターは毎年、ロンドンの真ん中、ハイドパークにつづくケンジントンパークの向かい側に位置する「ロイヤルアルバートホール」で開催されています。以前も書きましたが、アルバート公へのお誕生日プレゼントとしてヴィクトリア女王が贈った劇場。ところが残念ながらアルバート公はこの完成を待たずに死去したため、彼が劇場を眺められるように…と、真向かいに記念碑が建てられています。今回はアルバート公の記念碑のお尻側からロイヤルアルバートホールを入れて写してみました。
<早朝のアルバート記念碑とロイヤルアルバートホテル>
第59回ロンドンインターナショナルは5時45分に開始。
外国での競技会の終了は夜中になってしまう事が多いのですが、途中で食事をする時間もないほどに競技が次々と続くのです。だから終わる頃にはいつも腹ペコ(+o+)選手時代は自炊していたからよかった…間借りしていたドニー大先生のフラットに戻り、一緒に住んでいた嶺岸組と一緒にご飯を作って食べながら「あ〜でもない、こ〜でもない」と、途中大家さんのドニーまで交えて、夜明けまでダンスの話をしていたものです。
ホテル住まいとなった今、夜中に行けるファミレスやコンビニがほとんどないこの国の不便さを嘆くより、さっさと早めの夕食をとってしまう方が賢明です。
ホテルから15分ぐらい歩けばハロッズのあるナイツブリッジ。観光客もたくさんいるので食べる所もたくさんあります。でも時間の無い私達は、ハロッズでピザを食べよう!と出かけました。明先生がビックリするほどの早歩きでサカサカ歩き、ハロッズ店内ではブランドバッグに目もくれず(!)、一目散にそのお店へ…ところが、店内は改装中に加え、以前と店内店舗が変わってしまっていたのです。が、止まっている時間は無い!私達が選んだのはステーキカウンター。
<ハロッズのステーキカウンター>
英国王室御用達の称号がはずれたとはいえ、ここはさすがにハロッズでございます。注文の仕方からちょっと変わっていました。ガラスの冷蔵ケースに入っているお肉の中から自分の好きな部分を選び、食べたいグラム数、もしくは「このぐらい」と厚さを指定して切ってもらい、焼き具合いをオーダーしてから席に着きます。オプションにソースや付け合せを選ぶ事もできました。
<だんな、うちの肉は世界一ですぜぃ!>
お肉が凍っていないから、選んだ部位によっては思い通りのグラム数にはならないけど、こんな風にオーダーした事ってなかったから、楽しかった☆肉人の私は、塩コショウで脂肪の少ないお肉だけなら、結構な量を食べられます(^_^)v
<でっかいステーキだぁ~>
でっかいステーキをぺろりと平らげてホテルに戻り、イブニングドレスとタキシードに着替えてロイヤルアルバートホールへ!雨じゃなくて良かったぁ(^_^;)あ、今年は自分達の写真を撮るのを忘れちゃいました。せっかくドレスアップしたのに〜(>_<)
入口で驚いたのはチケットを差し出すと、バーコードを読み取る機械でピッとチェックしていた事!昨年までは手で半券をビリっとやるアナログなシステムだったのに!ロンドンオリンピックに向け、様々なイベント会場の管理システムを改善しているのでしょうか?
<ロンドンインターのチケットとプログラム>
今回のお席はFront Row一番前のかぶりつきキタ━(゚∀゚)━!!!!!!!ぐるっと円形状になったフロアが、良く見えるような見えないような…審査員の先生方が真ん前に立ってしまいますからね。でも、先生方は審査というこのイベントの大切なお仕事をされているのですから、文句を言ってはいけません(=_=)bロンドンインターの本選審査員は全部でなんと72名!彼らを4つのパネルに分け、予選ごとに違うカテゴリーをジャッジするというシステム。各パネル18名はフロアで立って担当のカテゴリーを審査し、審査委員長1名は舞台上で全てのカテゴリーにおいて進行、音楽の速さや長さを管理、それ以外のほとんどの審査員はフロアを囲む補助椅子に着席しています。あ、ちなみに「本選」と書いたのは「予選」の審査員も存在するからなんですよ。両方を担当する人もいれば、どちらか片方だけという人もいますが、100名以上のジャッジ料だけでも相当な費用がかかるという、なんちゅう規模のデカイ競技会なんだ!いま初めて気が付いたっ Σ(・ω・ノ)ノ
<ロンドンインター本選のジャッジパネル>
審査員はクローズドブリティッシュのファイナリスト、世界ファイナリストだった人、世界チャンピオン、世界チャンピオンの妻、オーガナイザーのお友達、スポンサーの関係者。はっきり言って「え?なんでこんな人が審査員できるの?」って人もジャッジしてるのが気に入らないけど、オーガナイザーが決めるんだから仕方があるまい(-"-)
<黄色い矢印↓が審査員の一部>
5:45にアマチュアボールルームが開始すると次々と競技が進みます。
まずは9時半からのゼネラルダンスタイムまで、プロフェッショナルは2次予選、アマチュアはセミファイナルまでの競技が怒涛のように繰り広げられます。いつお手洗いに行くかが悩みどころ。
<ロンドンインターのタイムテーブル>
アマチュア両セクションを見る限り、スター不在。このところそんな気がしていたけど、今回それを確信しました。
アマチュアボールルームを見ていて「オモロイッ」て思う事も、過去にはありました。それは、ミルコ・ゴッゾーリがまだアマチュアで、イタリア人ダンサーがコンペ会場にゴッソリいた頃。最近のアマチュアボールルームの時間はトイレに行く時間になっちまったなぁ(-。-)y-゜゜゜
アマチュアラテンはと言えば、憧れを抱かせるようなダンサーがいない(p_-)見ていてワクワクさせてくれるような、ダンスへの情熱が伝わってくるダンサーや、美しい動きをする女の子がいないのです。
プログラムを見れば一目瞭然で、イタリア、ロシアの出場者が減っているのが原因です。代わりに…というか、スカンジナビア半島のノルウェイ、デンマークや、東欧諸国のダンサーの出場が目立ちました。でも、名前をよく見ればロシア風の名前がアチコチの国に登録を変えて出場しています。これも最近の傾向ですね。
日本勢の活躍を期待しつつプロフェッショナルの競技観戦にのぞむと、プロボールルーム一次予選には浅村、石原、庄司、末富、橋本、本池の6カップルが、そしてプロラテンでは織田組1組だけが本選への切符を手にしていました。
この中でロイヤルアルバートホールでの2次予選目であるベスト30に残れたのは庄司組だけでした。あらためて世界の壁の厚さを感じると共に、自分達がこのロイヤルアルバートホールでの準決勝に残れていた事に「時代は違えど、よく頑張ってたなぁ…」と、我ながら感心しちゃいました。