競技会を観に行って
北條明&須田雅美
1999/11/20
みなさんこんにちは
多光杯があったり、仕事で東京から離れていたりでなかなかレポートが書けませんでした。ごめんなさい。
東京は寒くなってきました。寒いのがとっても苦手な雅美はヒーターにくっ付いてます、でも暑いのが嫌いな明は大喜びです。
かぜをひかないように気を付けて下さいね。
ロンドンから帰ってすぐ、私達は久しぶりにB級ラテンの応援に行きました。我が北條ダンススクールからはB級の濱野 浩二・武井 知子組、斉藤嘉昭・藤山みさと組、C級の森田・柴田組、新海・斉藤組の3組が出場し、健闘したのですが残念ながら予選で散ってしまいました。私達は2次予選から見ていたのですが、個人的には新宿マナメイツの長嶋・日高組が男女ともに確実なテクニックで表現力豊かに踊っていたのがとても印象的で、ファイナルに入れてあげたかったといまだに思っています。B級で戦ってA級になるということはやがて全日本で活躍し、いずれ海外の競技会でも日本を代表するダンサーとして活躍する心構えがあるはずだと思うのですが、残念だったのはほとんどの女性の足元があまり丁寧に使われていなかった事と、男性に比べて脚力が弱過ぎること。海外へ行けば足元はきれいで当然、ベーシックも丁寧に踊れて当たり前、身体の大きな欧米人は体力も筋力も何もしなくても私達よりはある人がほとんどです。私も含めて、みんなー!がんばろう!!
そして10月31日には世界ラテンダンス選手権があったのですが、JBDFでは午前中にプロD級ラテン、午後にはプロB級モダンがあり、北條ダンススクールからもファイナル入りを目指す選手がいたので明はこちらの応援に行き、雅美は世界選手権に海外のライバルを偵察に行くことにしました。 まず午前中のD級ラテンではなんと、笹谷毅・久美組が優勝!!立派にオナーダンスを踊り、即日C級に昇級しました。笹谷先生の瞳ってとってもキラキラしていてきれいなんですよ。見てるとこっちが照れ臭くなっちゃうぐらい・・・しかも口もデカイし歯並びもきれいでまるで少女漫画のさわやかな王子様・・・それでいて熱血漢なので踊りにも気合が入っていて見ていて気持ちがいいんです。くみくみ(彼女の事を私達はこう呼んでいます)は以前新体操をやっていたので身体が柔らかく、腕の動きも自然だし、思いきりが良くパワーのある踊りをします。普段はモダンをメインにやっているので優勝したと聞いて驚いてしまいましたが、「あの2人なら有り得る」と大喜びでした。
さて午後の部のB級モダンでは前期4位に入賞した加藤周介・留巳組が優勝目指して健闘しましたが、結果は前期と同じ4位に終わり、「来年度前期・後期優勝でA級を決める」と決意を新たにしていました。応援に行った明によると踊りに勢いがあってイイ感じだったそうです。ロンドンでの勉強の成果が出てきているということでしょう。来年はもっと良くなっているはずですので皆さん応援よろしくお願いします!
一方私は安東君カップルと一緒に世界選手権を見てきました。一番前の席を取ってもらったのでよーく見ることができましたが、出場選手のほとんどがロンドンでいつも戦っている仲間達だったのでとても参考になったし楽しかったです。というのは、彼らは私を見つけると「あっ!」と一瞬目を大きく開いて驚き、その後ちょっとリラックスした様子で私にアピールしながら踊る人がほとんどだったからです。私は「私にアピールしてくれるのはとってもうれしいんだけど、それよりもちゃんとジャッジも意識して踊りなよー・・・」という思いで応援していました。でもわかる気もするんですよね・・・知らない土地で知らない人ばかりの前で踊るって結構心細いものなのです。特に日本人の観客は目も肥えてるしはっきりしてるから、ファイナルクラスや日本に良く来る選手には注目して声援も送るけど、そうでもない人達には目もくれないようなところがありますから・・・キビシー・・・パンフレットを見るとスコットランドの選手の部分が空白になっており、いかにもドニー先生が出るかもしれなかったということを匂わせてはいましたが、「今の新しいパートナーではとてもじゃないけど無理だよ」と前に言ってましたから、なにかの間違いでしょう。ドニー先生は競技会の進行役として場を盛り上げてくれました。が、ファイナルの途中でフロアーに出て行って観客に「拍手お願いします!」みたいなことやってしまったので、我が師匠ながら「競技のフロアーが好きなのはわかるけど、そりゃアンタやり過ぎだよ!」と恥かしいを通り越して腹立たしく思いました。競技会では主役は選手達なんですから!!はぁ・・・熱くなってしまった・・・
競技の結果は人それぞれ思うところもあるでしょうが、カップルを新しく組みなおした為にロンドンインターでは決勝を踊っていたカップルのうち3カップルが出場できなかった事を残念に思う観客の方も多かった事でしょう。でもそのおかげで初めてファイナルやセミファイナルに残ったカップルもいたわけで、「がんばって続けていればきっといい事が有る」ということを身をもって示してくれました。私個人的にはドイツのオルガ・ミューラー・オムレチェンコさんがどわぁーい好きで応援していました。もちろんカルメンちゃんも素敵でしたよ。ドニーなんて、「フロアーでナンバー1の女性はオルガ、ナンバー2がブライアン!!」と冗談を言ってました・・・ひどいでしょ?競技会が終わってから安東君カップルと私、そしてラルフ・レピーネの4人で食事に行き、好き勝手に感想を述べ合いました。ラルフ先生の意見を聞いているととても参考になるのですが、結構私と同じ意見なので「フンフン、私ってなかなかいい見方してるじゃん!(?)」なんてひそかに喜んでました。どんな感想や意見が一致したかというと、まずブライアンが優勝したのはめでたい事だけど、シルパとずーっとがんばってきたユッカが優勝してもおかしくなかったという事・・・ブライアンとカルメンは個々の能力が高いけどユッカとシルパは2人での動きがとても調和がとれていてお互いの目標もはっきりしていて安心してみていられたのです。それから、やはりオルガは今回の競技会に出場した全てのダンサーの中でもっとも素晴らしかったという事・・・彼女は爪の先から足の先まで全てに神経が行き渡っており、正確なテクニックを駆使するとともに、女性らしく、しなやかで、なおかつ強さも併せ持つダンサーなのです。彼女のパートナー、ラルフ・ミューラーの事をみんなは「useless(使えないヤツ)」というけれど、とってもナイスな人なので私は好きですよ。あとは、マイケル・ウェンティックってスピンとかがんばってるけど、ダンスっていうよりはエアロビとかフィットネスって感じだねという事・・・ラテンダンスの基本的な、例えばルンバウォークとかがいまいち見えてこないんですよ。人より速く回れるってすごい事で、賞賛に値するけれど果たしてダンスってそういう物だろうか?と「???」が飛び交っちゃうんです。でもスゴイ人気で、ラルフ先生が驚いてました。「なんで?」って聞くから、「日本人は自分が出来そうにないトリッキーなステップが好きな人が多いのよ。」というと、「じゃぁダンスの芸術的なクオリティーはあんまり見ないんだね・・・」とがっかりしていました。
それにしてもダンスを競技として、しかも何組ものカップルが全員違う振り付けで踊っているものを1分半位という限られた時間の中で見比べて良い方にチェックを入れるなんて至難の技ですよ。同じステップ、しかもベーシックだったらまだしも、結構なんでもアリアリになりつつあるラテンは大変だろうなぁ・・・結局自分がジャッジする時って何か見るポイントを決めて見比べて良い方(要するに好きな方)や、良いと思われる方にチェックを入れるのでしょうか?「うーん、ジャッジの先生方本当におつかれさまです」というのが競技会を見に行って感じたことでした。
AKIRA&MASAMI