ロンドンインターナショナルでセミファイナル入り!!
北條明&須田雅美
1999/10/16
AKIRA、いつも厳しいドニー先生、MASAMI
みなさん、やりました!!
ロンドンインターナショナルでセミファイナルに入りましたよ\(*´▽`*)/とりあえず明はバスルームでビールかけを本当にやっちゃいました。身体がショワショワして気持ち良かったらしいですよ。ねぎちゃんが応援してくれました。
結果から言いますと、
1位ユッカ・ハパライネン、2位ブライアン・ワトソン、3位ポール・キリック、
4位アラン・トンズバーグ、5位マイケル・ウェンティンク、6位ルイ・アムステルでした。
モダンは
1位ルッカ・バリッキ、2位アウグスト・スキアボ、3位アンドリュー・シンキンソン、
4位クリストファー・ホーキンス、5位マッシモ・ジョルジアーニ、6位ティモシー・ホーソンでした。
ロンドンインターはこの前もお伝えしたように、前もって違う場所で前年度のセミファイナリストを除いた選手達で予選を行ない、ロイヤルアルバートホールではシード選手を合わせた50カップル位から予選が開始されます。この1次予選を突破するのもなかなか至難の技で、そこから30カップルに絞られます。今年はこの時にモダンもラテンもほとんどの日本人選手が残念ながら落選し、ラテンは中村組、布川組と私達、モダンは檜山組と谷堂組でした。しかも偶然とは言え両セクションとも同じヒートに日本選手が偏ってしまい、いくらジャッジは全部の中からセレクトするとしてもなんだか複雑な気持ちでした。そして結局セミファイナルに残ったのは日本選手では私達だけでした。
今年のラテンセクションは引退したり欠場したりした人もいて、楽だったと言われればそれまでなのですが、そのチャンスを逃がさずにセミファイナルの14組に・・・そうなんです、このコンペだけセミファイナルは14組なんです!これもチャンスでしょ?・・・絶対入りたいと思っていたんです。こちらの競技会はラウンドが始まる前にセレクトされた選手の背番号を読み上げてフロア―に呼び込みます。従って選手達は自分が残っているかいないかを知らされないまま次のラウンドの為の準備をして待っていなくてはなりません。このナンバーコールの時のドキドキ感といったらないですよ。すごい心臓に悪いと思うし、落ちた時は「せっかくお化粧直したのに!」と特に女性は思うし、期待している分がっかり感が何倍にもなるし・・・あんまりおすすめできないやり方です。でもげんきんなもので、自分のナンバーがコールされた時の安堵感と、特に上がれるか上がれないかの瀬戸際にいると思っている時にコールされた時のうれしさと言ったらちょっと言葉では表現できないぐらいうれしいのですが、今回はチャンスがあり、絶対にセミに残りたいと今までも切望しており、しかもセミの前に控え室に師匠ドニーがやってきて耳の痛いことを言い放った後だったので特にうれしく思いました。でも両手ばなしで「やったー」というのではなく、コブシを握ってひじを自分の方に引きながら短く「YES!」(なぜか英語!?)と気合を入れ、「見てろー!!」という感じでした。
ドニー先生はメチャメチャ厳しいお方です、はい。例えて言うならライオンの親かな。幼い我が子を崖から突き落として這い上がらせて鍛える・・・こんな感じの先生です。確かにドニー先生は私達の事を「俺のベイビーズだー!」と可愛がって下さっているのですが・・・レッスン中ならともかくコンペ中でさえ「お前達今日はダメだ」と言い放つことなんて当たり前。今までもう何回「今日はいい感じだ」と思っているところでどん底に突き落とされてきた事でしょう・・・競技の時の精神的作用なんてこれっぽっちも考えていないのか、私達のことを打たれ強いと勘違いしているのか、とにかくドニー先生の親心と愛情表現であることはわかっちゃいるけど、なかなかツライものです。この日も控え室で休んでいると横田組がオドオドしながら「ドニー先生がもしかして来ちゃうかもしれません。アキとまーちゃんは?と探していたので教えちゃいました」そう、彼らも知っているのです。ドニー先生がライオンの親だということを、そして特に私・雅美が会いたがっていないことも。雅美は控え室でうろたえました。どこかへ逃げちゃおうと思ってもその控え室は一番端にあり、外に出ればドニーにバッタリなんてことになって、「チョット待て!」と捕らえられて結局「アキの所に連れて行け」というのが落ちであろうと分かっていたからです。おろおろする私に明は「覚悟を決めろよ」とどっしり構えて座っていました。それでも私は隠れられる場所を探してキョロキョロしていると遂に大魔神様がお姿を現わし・・・「あう〜〜来ちゃったよ・・・」万事休すであります。部屋に来るなり「アキ、お前今日はこう見えるぞ。それからまーちゃん、もっとここをこうしろ」と真似をして見せ、種目ごとにはどうか?と聞くと、「チャチャまぁまぁ、サンバだめ、ルンバグッド、パソだめ」というので「全然ダメじゃーん」と2人とも落胆してしまいました。そして「じゃぁ、セミファイナルは無理だね」と言うと、「うーん・・・フィフティー/フィフティーだな。」だって。私達自身はセミファイナルに入ろうと全力で踊り、出来は悪いとは思っていなかったので「やっぱり良いニュースは運んでくれなかった!どうして気分良く踊らせてくれないんだろう、このお方は!だから会いたくないんだよぅコンペ中に・・・」とイジケ状態に入りかけている様子がわかったのでしょう。「俺はすごく悪いって言ってるんじゃないよ。アキ達のベストじゃないって言ってるんだ。」とフォローしてくれたのですが、そんなの効果無し!まぁ、言われる覚悟をしていた分救われたという程度でした。ドニー先生が去った後、隣にいた中村組が「いい先生ですねー。親身になってくれて・・・」と感心して言ってきたのですが、「そーでしょー!!」と自慢できませんでした。
セミファイナルのコールを待っている間、私が「やっぱダメかなぁ」弱音を吐いていると明は「ドニーが何と言おうと、入ったもん勝ちだよ!」と言ってくれたので「そうだよね!」と言いつつ、明が落ち込んでない事を確認して、何故かちびまるこちゃん風に「やっぱりあんたは男だよぅ。だてにボクシングちょこっとかじったわけじゃ無いんだねぇ・・・さすが打たれ強いよ。」などと心の中でつぶやきました。そして自分達の背番号がコールされた時「見てろー!!」と思ったのはライバル達にでもあり、観客やジャッジに対してでもあり、日の丸を背負った日本選手のみんなにでもあったけど、一番はさっき私達を崖から突き落としたばかりのドニー・バーンズに対してでした。彼は私達のちょうど真向かいに陣取っていて、私達がセミファイナルに入った事をとても喜んでいたようですが、私は心の中で「あんたがジャッジだったらあたしゃここに立ってないよ」とまたしてもまる子風につぶやいておりました。
ドニー先生の突き落としが効いたのかどうかは定かではないけど、セミファイナルが一番良く踊れたようです。見ていたねぎちゃんもそう言ってくれました。外国のアマチュアの子達にも「すごい良かったよー!声を張り上げて応援してたんだよ!おめでとう。」と言われました。ファイナルには届かなかったけど、とりあえず1歩近づいたことで次への自信になりました。それに私達は世界選手権に出場する権利は持っていないけど、各国から世界選手権以上のカップルが集まった中から(世界選手権は各国2組づつしか出られません)選ばれた事に価値を感じているので、本当に幸せです。また次回もがんばりますよ!!最後になってしまいましたが、当日応援して下さった皆様ありがとうございました。そして日本の選手のみなさん、がんばりましょう!
AKIRA&MASAMI