ロンドンインター観戦記

山口慶子

ロンドンインター観戦の為、10月12日、2年振りにロンドンに行きました。

ここ何年来、渡英の目的はダンスの勉強の為でしたので、競技会の観戦は大変久しぶりでした。

宿泊するホテルはホリディ・イン・ケンジントン・フォーラムというホテルで私達が1975年、今から34年前に初めて渡英した時に泊まったホテルと同じでした。其のときはベンター・ホテルといってましたので、まさか同じホテルに泊まるとは夢にも思いませんでした。ベンター・ホテルの後にフォーラム・ホテル、そして今のホリディ・イン・ケンジントン・フォーラムに名前が変わったのです。

2日目(10月13日)はブレンドウッドでロンドンインター・ラテンの予選がありましたが、ロンドンの友人と会う約束があったのと、着いたばかりで一息入れたいということで、翌日のスタンダードを応援かたがた観戦することにしました。

そういうわけで2日目は友人に会い、その後運動がてら地下鉄を利用して街に買い物に行きました。ホテルの側にあるグロスターロードという駅から1ディ・チケット(1人5.6ポンド 日本円で約840円)を買い、ピカデリーへ行きました。ちなみに2年前はポンドの方が円より強かったので2駅間乗るのに千円かかりビックリしました。

お昼頃だというのにピカデリーにある有名なエロスの像の周囲には余り人が居ませんでした。以前だと観光客等の人で大変賑わっていましたがここにも不況の風が吹いているのかなと思いました。

リーゼント・ストリートにある三越へ行ってみましたら、まだオープンしていないのかと思うほど1階のフロアーがひっそりとしていて、2階へ行っても客が3,4人位しかいませんでした。以前は日本の観光客で賑わっていましたが、世界中の不況に影響を受けて観光で来る人が少なくなったのかなと寂しく感じました(何年か前のロンドンは三越の他に高島屋、伊勢丹、大丸があり、又イギリス屋というお土産等を扱ったお店もありましたが今は閉店、三越だけが残りました)。

ところが、三越の隣に新しくジャパンセンターという日本の食料品を扱った大きな店が出来、其処にはお米、日本酒、調味料等々大変内容が豊富で店の中では焼きソバや餃子等を作っていまして、店内で食べられるようにテーブルもあり、寿司やお弁当類も豊富、その上昼時のせいか外人がお弁当を買うのに行列が出来ているのにはビックリさせられました。又 三越のレストラン(イギリスでは高級店だと思います)の店頭でお弁当を売っているのにも、今までになかったことなので驚きました。もしかしたらジャパンセンターに対抗しているのかな?そんな気がしました。

最近 日本の食べ物はカロリーが少ないといって外人に好まれているそうで、有名なハロッズのデパートにある寿司レストランも殆んど外人がカウンターを占領しています。売り場にも以前より寿司類が多く、イギリスに於いて和食は良いビジネスなのかなと今回強く感じました。

3日目(10月14日) ブレンドウッドの競技会とロンドンインター観戦の為にいらした2名と堀ノ内コンダクターと私達 計5名で朝8時少し前にホテルを出発しました。

ホテルの側のグロスターロードから地下鉄(サークル・ライン)でリバプール・ステーションへ行き、国鉄に乗り換えてブレンドウッドへ行きました。途中のストラッドフォードという街では3年後にあるロンドンオリンピックに向け競技場やその他の施設等の工事をしていました。

ブレンドウッドの競技会場はロンドンから少し遠く、又 周囲には商店らしい店もなく、何となく寂しい町ですが、世界の人々が集まって競技会が開催されるのですから凄いなと思いました。

競技会の前半はプロ、アマライジングスターのコンペがありましたが、残念ながら日本の選手は1組も準決勝に残りませんでした。

後半はロンドンインターの出場権を取るための予選があり、第3予選に残った選手がロンドンインターの出場権を得ます。

前日のラテンではJBDFで西島組、織田組、立石組が残り、スタンダードでは笹谷組、河原組が残りました。

ブレンドウッドの競技会はロンドンインターの予選の他にライジングスターのプロ、アマ、その他にアマチュアの14歳以下、ジュニア、21歳以下、シニア、そして50歳以上のコンペがあり、盛りだくさんという感じで大変疲れる競技会でした。

しかし 久し振りに21アンダーやアマチュアのコンペを見、美しさは勿論のこと、その若さ溢れる躍動感とスピードには興奮しました。最近は競技会を見る楽しみが少し薄れてきましたので、今回イギリスへ来て少しリフレッシュ出来たことが良かったと思いました。

朝8時にホテルを出発し、競技会が終わったのが11時頃、ホテルへ戻ったのは夜中の1時頃で大変長い1日でした。

4日目(10月15日)今日はアルバートホールでロンドンインター本戦が開催されます。夕方5時半にドアーオープン、5時45分からアマチュア・スタンダードが行われます。

競技会の終わるのが夜の1時頃になるので、昼間は三越の隣にあるジャパンセンターへ夜食を買いに行き、その後少し休んで6時頃アルバートホールへ行きました。

アルバートホールはビクトリア女王がご主人のアルバート公にプレゼントした建物で、その外観も会場の中の雰囲気も大変素晴らしく、5月に開催されるブラックプールのウインターガーデンと共に英国のビックコンペに相応しい会場だと思います。

現在イギリスの選手は以前よりは少なくなりましたが、1月のスターUK,5月のブラックプールでの全英選手権、そして10月のロンドンインターと歴史のあるコンペに世界の人々が競技の為集まって来るのですから凄いなと思います。

ロンドンインターはプロ、アマ共に前年度のセミファイナルに入賞した選手とブレンドウッドで第2予選を通過した選手とで競い合います。プロ、アマのスタンダードとラテン 4つのセクションの競技会です。ジャッジも4つのグループに分かれ、1つのグループが19名 計76名が交替しながらジャッジをします。これは選手にとって非常に公平に審査が行われる良いアイデアだと思います。日本の競技会をつかさどる役員の方々も是非観戦して、参考にして欲しいと思います。

今回 競技会を見まして、中国の選手が大変レベルアップしたのに驚きました。ルックスでは日本の選手も決して引けをとらないのにテクニック、パワーは中国の選手の方がより向上しているように感じました。日本の選手ももっと世界に出て活躍できるよう技術の向上に励んで欲しいと久しぶりに競技会を見て強く感じました。

ロンドンインター・プロ決勝

スタンダード
1位 ARUNAS BIZOKAS & KATUCHA DEMIDOVA(USA)
2位 VICTOR FUNG & ANNA MIKHED(USA)
3位 ROBERTO VILLA & MORENA COLAGRECO(Italy)
4位 DOMENICO SOALE & GIOIA CERASOLI(Italy)
5位 PAOLO BOSCO & SILVIA PITTON (Italy)
6位 SASCHA KARABEY & NATASCHA KARABEY(Germany)

ラテン
1位 MICHAEL MALITOWSKI & JOANNA LEUNIS(Poland)
2位 RICCARDO COCCHI & YULIA ZAGORUYCHENKO(USA)
3位 FURANCO FORMICA & OXANA LEBEDEW(Germany)
4位 SERGEY SURKOV & MELLA(Russia)
5位 ANDREJ SKUFCA & MELINOA(Slovenia)
6位 MARKUS HOMM & KSENIA KASPER(Germany)