第18回自由杯 夜の部

須田雅美

12月19日 朝、北條先生「ご飯どうする?」ってお電話を下さいましたが、「ごめんなさい」して準備を続行。時差ボケとかじゃないんです…時差はたったの1時間ですからね。準備中にスリッパの袋をあらためて見て、爆笑ヾ(*>∀<)ノ゙

<スクール生徒のショータイム>

<主催のトニー&ベティ・シュー>

トニーは台湾大学出身の秀才君。確かにおでこがそんな感じです。彼らとは現役選手だった頃、ラトリッシュという練習場でよく一緒に練習をしました。スタイルの良い10ダンサーだったことを思い出します。

コンペが始まる前にディナーとスポンサー様のデモンストレーションとスピーチ。
なぜかダンスのスポンサーをして下さる方は、中華系の奥様が多いです。奥様といっても皆さん会社の社長さんですけどね。
ディナーの内容は当然のように中国料理。前妻は日本で食べるのと同じ…くらげとかハム類。メニューを見ると全部で10皿。

こんなに食べるのは絶対無理だろう…だって私、コンペが終わってから夜市に行くんだもん(^^♪
でも、デッカいフカヒレが入ったスープが出てきて、これはお肌のためにも食べねば(*^_^*)…と思っているところでいきなり司会に名前を呼ばれたっ(◎o◎)何かと思ったら、デモンストレーションを披露したスポンサーの奥様に記念品をお渡しする係として呼び出されたのでした。先に教えておいて欲しかったよ(-_-)

これまた急にファイナルが始まり、あたふたしちゃったよ〜(=_=)
プロラテンには前の週にディズニーランドパリでのコンペにも出ていたインチキ香港人のロシアンカップルIlya Borovskiy & Veronika Klyushina、他にはヘボチンなオーストラリアンダンサーと台湾のプロだったので、米持組には「負けんなよ!!」という気持ちでした。最後のイベントはプロスタンダードファイナル。これが私の本日最後のお仕事。ここにもインチキ香港人が出ていてなんだかムカつく…香港ってイギリス領だったからコーカシアン(白人)がいてもおかしくないけど、ロシア人は違うと思う(-“-)でもこのファイナルの中では断トツでした。そしてこちらにもヘボいオーストラリアンがいたので、「大ちゃん(山本組)ガンバレ」とジャッジだけど心の中で応援してました。。

全てが終了して、そこからゲストのショータイム。この日はヴィクター・フォンとマイケル・マリトースキーでした。「彼らの踊りは日本でも見れるから、ここは早くズラかって夜市へ行きましょう!」と章宏先生をお誘いし、コンペの結果も聞かずにホテルに帰りました。

<2組のデモンストレーションが印刷されたチケット>

お部屋に帰って着替え、章宏先生おススメの(というか、ガイドブックで見つけたみたい)に行くことにしました。でも、その日が日曜日のせいかお店は半分ぐらい閉まっていて、結構がら〜んとしていました。目的の「牛老麺」を置いているお店が見当たらず「なんだか想像と違う…(p_-)」ようやく「牛」の字を見つけて入店。章宏先生はしっかりとディナーを召し上がっていたので酸辣餃子スープだけ、そして私は念願だった牛老麺を注文…う〜ん明先生のつぶやきの写真と違う。想像とは違う、酸辣湯のように酢っぱ辛いスープの牛老麺を食べながら「選手の子達が帰ってきたら絶対に支林観光夜市へ行くぞ!」と決意を固めたのでした。

ホテルに戻るとちょうど選手の山本組と米持組から電話が入り、米持組はヘボチンオーストラリアンに負けて3位、山本組は地元台湾の応援を受けたGLYN LIN&WEN HUA JIに負けてしまい、無念の4位でした。

日本人選手が、大したことのない外国人に負けてしまうのを見るのは悔しいものです。しかし、もちろん日本人選手にも足りない物があるという事実も見逃せません。

まずいつも感じるのは、一歩の歩幅が狭いということ。もちろんむやみに広くしろというわけではありません。大きく移動しようとした時には当然歩幅が広くなりますが、姿勢を崩してまで動くのはNGです。しかしそれを怖がって「歩幅は小さくしなさい」とアドバイスをするのもNGなのです。両足の間を姿勢を崩さずに移動する能力をアップさせるように努力しなくてはいけません。

また、日本には「丹田」という重心を表すのに便利な言葉があるのに、それを失いやすいというのも問題です。外国人はこれを「コア」と言ったり「センター」と言ったりします。いずれにせよ、漠然と1つの丸い物をイメージすると思いますが、私達が2足歩行の動物であることを忘れてはいけません。私達が2本の脚を使って姿勢を崩さずに複雑なステップを踏むには、脚と胴体をつないでいる腸腰筋の働きが大切なのです。

それから日本人にはリズム感がないと言う人がいますが、それは日本人がとてもまじめな性格だから…?音楽を「ためて」とか「長くとって」と言われる部分を見ると分かりやすいのですが、そこが「動きの途中」言い換えれば「体重移動している最中」であることも忘れるぐらい夢中になってその場所にとどまり続けようとしてしまう人が非常に多いのです。また日本社交ダンスの草創期には語学力の不足と解剖学的な説明の不足により、カウントと身体の基本的な使い方の関連が間違って流布されてしまいました。そして残念ながら、いまだに正確なリズム感を得られないままに次々と伝授されてしまっているという事実も原因の一つと思われます。

特にある程度のテクニックを身に付けたダンサーには、あるステップがSQQSだとしても、単純にスロー・クィック・クィック・スローではなく、スッローゥ・クゥウィッ・クィッ・スラォゥ〜なんて、「音楽をこう表現したい!」という気持ちがあれば、いわゆるテクニックをもさらに向上させるのだということを知って欲しいと思います。