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スタッフコラム

ロンドンインター 2010 その3

須田雅美


プロのボールルームでは、最初からファイナリストにしか目が行かないぐらい、個性のあるダンサーが見つけられませんでした。

ブラックプールで「世界が待っていたダンサー」と大注目を受けたGiampiero Giannico & Anna Mikhedは確かに体がデカい分だけ重厚感があり、それでいて音楽の取り方が軽いので見ていてコントラストが楽しかった。ジャンピエロ君はかつてのチャンピオンであるジョン・ウッドやアウグスト・スキアボ系統のDNA。デカくて悪童っぽく、あまり繊細ではない印象のダンサー。彼にとってアルバートホールは小さすぎたのかな?セミファイナルからバテが見え、気の毒な状態になっていました。足がバッタバタになり、回転も不十分で音楽どころの騒ぎじゃないって感じでした。次回は頼むよ。
Mirko Gozzoli & Edita DaniuteとArunas Bizokas & Katusha Demidovaの対決は、成績ではアルナスとカチューシャがリードしているようですが、組んだばかりの頃のような輝きが無く、キビキビしたカチューシャがぬ〜ぼ〜としたアルナスに馴染んじゃった感じ。テクニックがところどころでキラーンと光るのはやっぱりミルコだね…って話すプロも多かったです。でも、ミルコの持ち味であるスピードやキレを出す事が今のエディータとではできないんでしょうね。って事で総合的にはアルナスの勝ちに見えました。
ミルコのコーチであるファビオ・セルミが、まるで子供のサッカーの試合を応援するお父さんみたいに片手を振り上げて「ミルコー!行け〜!」と応援していたのが、個人的にはものすごく素敵だと思いました。



〈ミルコとエディータ〉



〈ヴィクターとアナスタシア〉

ところで、以前はモダン大国と言われた日本のカップルが準決勝に食い込めないのは残念です。外国人にひけをとらない身長があっても、体が薄いのが日本人の特徴。丸っこい体の外国人に対抗するには、常に立体的にバランスを取りながら体を使うイメージを持っていなければいけないと思うのよね。スタンダードのダンサーはムーブメントを重視するあまり、ダンスのイメージが比較的大雑把になりやすい傾向にあるという印象なんです。もっと繊細な動きを大切にしながら大きな運動につなげて欲しいと思います。

プロラテンで毎回チェックするのはリッカルドとセルゲイの調子。そして今回はステファノがどんな踊りをするかというのも気になりました。

この日のセルゲイは悪かった。メリアがすました顔してゆったり踊るという失敗はよく見かけるんだけど、セルゲイがこんなに悪いのは初めてでした。歩幅はいつも通りに豪快に広くとって踊っていたのですが、両足の間でゆれているだけで軸移動ができず、乗り越える事ができないため、彼の持ち味であるパワーが出しきれませんでした。
予選のうちは「ウマイッ」とうならせてくれたRiccardo Cocchiも、Yulia Zagorouitchenkoとのコネクションが悪いせいで体力が奪われてしまったようでした。しかも、ユリアのドレスはお弁当に入ってるウインナーで作ったタコみたいなピンクのタッセルがいっぱいぶら下がった子供っぽいデザインで、チャンピオンを狙うにはちょっとNGって感じでした。成田からのリムジンで一緒になったマイケル・ウェンティンクも「彼ら、アメリカのコンペではすごく良かったんだけど、今回はドレスもダンスもダメだったねぇ。」と言っていました。
Stefano Di Filippoは、他のダンサーよりすごく良いわけじゃない…ちょっと目新しいだけ。彼は体が大きい割にはキビキビと、しかもフットワーク軽く動きます。でも彼の弱点は重心が高くなりがちな骨格と、ラテンダンスのベーシックテクニックを深く習っていない事。アマチュア時代の人気のおかげで興味を持って見ている人達が多いけど、今後プロらしくセクシーな男性ダンサーになる為に、自分の動きをベーシックテクニックに則って分析する作業をして欲しいと思います。Olga Urumovaは日本インターに出場した時よりは良かったけど、顔も動きも普通のロシア人だし、もっと痩せたらいいかも。
Franco Formicaはコンスタントに踊っていましたが、気になるのはOxana Lebedewが彼と同じテクニックで踊っていない事。ブラックプールのコングレスでサンバのベーシックアクションを説明しながら動いた時、明らかにオクサナはフランコの説明通りには踊れていませんでした。あれから5か月経ったのに、そのあたりの上達が見受けられなかったのは残念でした。
他のファイナリストがこんなだから、チャンピオンのMichal Malitowski & Joanna Leunisが優勝するのは無理もないって感じでした。常にコンスタントで完璧なパフォーマンスを目指す姿勢は素晴らしいと思います。でも、パソドブレだけは笑っちゃった。マタドールを模して踊る男性陣の中で、マイケルだけは農夫が農耕用の牛を扱っているように見えちゃったんです。彼のほっぺがリンゴみたいに赤いからっていうだけじゃなく、ジョアンナのイメージがゴツ過ぎるからかな。ごめんよ、マリトー君。

次に海外のコンペを見るのは12月10〜12日。ディズニーランドパリで開催される2010 Disney Cupで明先生がジャッジをするので、私もくっついて行くことにしたんです。元チャンピオンなど、そうそうたるメンバーがジャッジをする競技会です。特にアマチュア部門には様々な年齢やカテゴリー、ジャンルもあるようですよ。興味のある方はhttp://www.danceworldseries.com/ENTRIES/index.htmもしくは、私に直接ご連絡下さい。




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