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スタッフコラム

もじもじまさみ 2010全英プロフェッショナルラテン

須田雅美


2010/6/30

水曜日に開催されたプロラテンでは先のIDSF問題の影響を少なからず受け、問題から逃れるために国を変えて出場しているカップルもいました。
アマチュア元チャンピオンのマウリッツオはイタリア人ですが、以前はハンガリー人のメリンダと組んでいたので、ハンガリー代表選手でした。
現在のパートナーと組み、母国イタリアで仕事をしていたところIDSFのプロ部門のコンペ以外への出場を禁止され、ブラックプールに出場する旨を告げるとレッスンやデモンストレーションの仕事を取り上げられてしまったのだそうです。
そこで彼は、現在のパートナーの国籍であるカナダで仕事をしているようです。UKの時にターンプロしたステファノ・ディ・フィリッポも同じ問題で悩んだ末、出場をあきらめたのだそうです。



今のプロラテン部門の世界ベスト24は強豪がひしめき合い、準決勝のベスト12でもパンパンに詰まっているので押し出されてしまう…という状況です。全英選手権はベスト24からは単科戦になるので、準決勝でさえ数人が入れ替わっていました。残念ながら日本人はベスト24にも及びませんでした。「別にあのジンガイが抜けて、日本人が入ったっていいじゃん!」と思う反面、何が足りないのかということも見えているのです。その打開策は無くはないのですが、教えていない選手にはアドバイスもしてあげられず悶々としてしまいます。
「一般的な」日本人選手と「一般的な」外国人選手の差は、体幹の強さにあると見ています。昔から「日本人は足が弱い」とおっしゃる先生が日本には多いような気がしますが、実は脚力じゃなくて脚と胴体をつないでいる股関節回りから体幹部が弱いんだよなぁ…。だから、運動中に姿勢の維持ができないし、スムーズにしなやかに動けない。スピードも出せないしコントロールもしづらい。だから必要の無いところに力が入ってしまって、さらに姿勢が維持できない…という負のスパイラルがぁっ!!
世界のトップダンサーにそんな負ニャ男と負ニャ子は見当たりません。
今回のファイナリスト達は全員良く踊っていた!という印象でした。これって、当たり前のようでなかなか無いことなんですよ。そしてそれぞれのカップルに個性がありました。

ジョアンナは他のダンサーにはマネのできないような(マネをしないような?)ワザを磨き、マイケルはそれをサポート。
彼らにはラテンリズムを表現するボディムーブメントが少ないので、なんだか異種格闘技を見ている気持ちになります。
ラテンのエキスパートのジャッジの多くは彼らのことが好きではないのですが、スタンダードのジャッジに気に入られているようです。


マイケル&ジョアンナ

リッカルドはチームマッチの時に変化を確認した通り、プロらしい踊りをしていました。
いつもならジョアンナの対抗馬とされるユリアは、勝手に動くのではなく男性のリードを感じて動くというシステムにシフトしていたので、以前に比べて大人しいという印象を受けました。
彼女はこれを乗り越えたらとても素晴らしいダンサーになると思います。
ドニーにして「噴火前の火山のようだ!」と言わしめるほどの才能があるからです。(ドニー大先生が私以上に正直なのは皆さんご存知ですよね?)


リッカルド&ユリア

フランコは久々に自分のペースで踊れていたようです。でも他のダンサーと接触しそうな時に遊びすぎです。
アレは観客を味方につけるには効果的だけど、私がジャッジしてたり選手だったらムカつく(怒)だって踊ってなきゃ判定できないですからね。
それからオクサナが彼と同じリズムの取り方をできないのが気になってしまいました。ただ、男性にまとわり付くのは上手いので、ポニョッとした身体をもっと締めたら軽やかな動きに見えるのになぁ。
ドレスのセンスがイマイチな気がするのですが、ま、それも個性かな?


フランコ&オクサナ

セルゲイとメリアはUKの時よりも断然良いパフォーマンスでしたが、残念ながら技術的な成長は見られませんでした。
もともと習っていたトーナ・ニーハーゲンと少し距離を置いてから、コーチ選びに迷いがあるようです。
どのダンサーにも見られるようなバックボーンが彼らには見受けられませんでした。
でも、セルゲイはとてもパワフルだし、メリアはラテン的で情熱的。男女のやりとりがとてもハッキリと見えました。


セルゲイ&メリア

スラビックとアナはようやく2人で踊れるようになってきました。
スラビックはなんだか年を取ってくたびれた印象でしたが、それは彼の得意なボディポップを振り付けから取り外してしまったせいなのか、何度もコンペをキャンセルしているせいなのか…?
それにひきかえ彼女は若く、最近のラテンダンス界で唯一と言って良いほど、とても美しくセクシーな女性ダンサーだと思います。
それだけにルンバで舌なめずりをするような表現は下品に見えるのでやめて欲しかった!
彼らは複雑なコネクションのステップが多いせいで難しそうに踊っているように見えてしまいましたが、ここで投げ出さずこれからも頑張って欲しいと思います。


スラビックとアナ

アンドレイとメリンダはとっても素敵☆と憧れを抱かせるような選手ではありませんが、準決勝に残った選手と比較をすると、全てにおいてバランスが取れていることがファイナル入りの決め手となったように思います。2人ともアマチュアチャンピオンだったのでスタミナは十分でしたし、お互いの得意な部分を生かした振り付けを選択しているようなので、コンスタントに同じ踊りができるのではないかと思います。
セミの中でもマーカス、マウリッツィオ、マテイは、努力をすればファイナルに食い込む実力の持ち主。次の世界的な競技会が楽しみです。


アンドレイとメリンダ

※掲載している画像はRob Rondaさんに許可を得ています。(無断転載禁止)



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