ホームスタッフコラム › もじもじまさみ Team Match 2010

スタッフコラム

もじもじまさみ Team Match 2010

須田雅美


2010/6/21

土曜日の夜はTeam Matchというイベントがあります。これは、このブラックプールダンスフェスティバルの主催者から招待された4カ国が、プロフェッショナルの代表4組を出し合って行なう競技会。その中の1国には必ずGreat Britainが入っています。
競技会といっても、それぞれチームカラーを統一したり、各チームの入場時に様々な出し物をやるので、楽しいファン感謝デー的な競技会になっています。
もちろん各国のチャンピオンクラスが出場するのでダンスも楽しみですが、その出し物も見たくて会場には会期中一番の観客が押し寄せます。
私達も引退前にたった1度ですが、日本チームが招待された時に参加することができました。
過去を振り返ると、大英帝国、日本国、アメリカ合衆国、ドイツ連邦共和国、ロシア連邦、イタリア共和国といった国々が招待されていましたが、昔と違ってフェスティバルへの参加国が増えたことで活躍するダンサーの国も様々になり、過去には「スカンジナビア半島連合」なんてチームもありました。
そして今年は「アジア連合」と「ヨーロッパ連合」そして大英帝国とアメリカ合衆国の4チームが招待されました。


日本チームとして参加しました

これまで「日本国」として1つのチームを作れていた日本としては屈辱的なチーム編成です。
しかし、世界選手権でベスト12に残れるダンサーがほとんど引退してしまい、その他の競技会でもあまり活躍が聞こえないので仕方がありません。
最近では活躍するダンサーが増えてきた中国、そして韓国とともに「アジア連合」として庄司組がスタンダード選手として入れてもらえたのは、成績だけでなく、日本人出場者や観客に対するオーガナイザーの配慮でしょう。


アジア連合チームの庄司組

満員の会場…と言っても、過去に私が見たほどの混み方ではありませんでしたが…でチームマッチが開会しました。
入場する選手達はすでに普通にドレスアップしており、余興の出し物もなし。国歌斉唱はイギリスの国歌「クイーン」のみ。
案外スッキリしていて、こちらの方が時間短縮で良いと思いました…個人的にはダンスが見たいだけですからね。


国歌斉唱はクイーンのみ

全チームが出揃うと、各チームキャプテンが記念のペナントを交換し合います。
ペナントって分かりますか?大昔、スキー場とかのお土産で売っていたあの三角形の旗みたいな物です。
今回は混合チームが2つもあるのでどうするのかな?と思っていると、なるほど!ヨーロッパには「EU」というものがありましたね。
青地に星のサークルのEUマークのペナントを持参していました。
アジアのチームキャプテンは中国人…手ぶらでの参加でした。ガッカリです。


アジア連合チームのキャプテン

運が良いことに私は最前列に座らせて頂いたので、じ〜〜〜っくりと世界のトップダンサーの踊りを見ることができました。
ラテンが始まり、久々にアメリカ代表のユージンとマリアの踊りを見て、「しばらく世界的な競技会から離れていた割には、振付けの変化もないなんて…変だなぁ。」と思いました。もちろん下手なわけではありませんから、とりあえずスルー。
アジアの代表はどっちの選手も日本インターに来る予定だけど、今の地位を実力以外のフォースで獲得してるから見ないと決めていました。グレートブリテンは冴えない選手の集合体に成り下がってしまい、目もあてられません。
ヨーロッパ連合チームのフランコは午前中のコングレスを見たせいで、パートナーとの実力の差がますます気になってしまいましたが、ここ最近では一番ちゃんと踊っていました。彼には流しグセがあるんです。1曲の中でもあまり本気を持続しないっていう流しグセ。これってムカつく。ものすご〜く踊れる選手だからこそ、全部見せてくれないのが腹立たしいんですよね。そんな彼からはファンが離れていってしまいます…実力とは関係なくね。
現チャンピオンのマリトースキーは、私にとって残念なチャンピオン。あの地位にいるのが哀れ。私は全ての種目の、それを特徴付けるようなベーシックステップでカップルを比較、評価するのですが、まずはウォークの類いがマズイ。
そして2人で踊る上で男性として必要なリードもヤバイ。私には、頬の赤いポーランドの農夫が収穫祭で踊っているようにしか思えない。ゴメンよ、きっと頑張ってるんだろうけどね。

さて、同じく女性が勝手に踊るタイプで人気のアメリカ代表リッカルド。彼はもともと素晴らしいラテンダンサーだったので、早期復活を祈っていました。他に見たい選手もいなかったし、2月にドニーのレッスンをアレンジしてあげたこともあり、ちょいと気になって目を向けると…ワ〜オ!!お帰りなさい、私のリッカルド!!しかもオトナになったわね〜(*^^*)彼は完全復活です。
ラテンのリズムをボディで刻みながら女性をリードする。字で書くと簡単だけど、ものすご〜〜〜〜く難しいんです。そのテクニックが生かせるような振付けに変え、彼の長所を取り戻していました。しかも「う〜ん、それはもしやドニー先生の教えだね?」と分かりやすいドニーイズムも見られたように、オトコっぽさが増していたのです。
時折ユリアが勝手に早く動きすぎることに私も明先生も「てめ〜早く動きすぎんじゃね〜よっ!」と怒っていましたが、そんな時にもリッカルドは上手く対処していました。私は横長のフロアの一番左端にいたので、リッカルドを追いかけて見ていると、身体を前のめりにして右の方を見なくてはいけません。普通、最前列に座れるのは各国の重鎮や全英選手権のチャンピオンだけですから、なんといいましょうか…皆さん姿勢良く、オスマシな感じで見ている人が多いんです。そんな中、私の視界に入ってきたのはドニー・バーンズ大先生…私と同じようにフロアのほうへ身を乗り出し、見ている先にはリッカルドがいました。
ドニーがリッカルドを育てようとするのはとても喜ばしいことです。リッカルドがエスパンから学んできたテクニックに磨きをかけ、ドニーから「男子たるもの…」という流儀を叩き込まれること、そしてユリアが「男子のリードに従い『自分で踊れる』女子の踊り方」を身につけてくれたら、彼らに憧れる若いダンサー達も良いダンサーになるからです。


お帰りなさい、私のリッカルド

スタンダードはゴッゾーリ、ヴィソーカス、フォン、クラペッツといったメンバーが踊っていたのでとても見ごたえがありました。
ゴッゾーリは今回の全英選手権に出場するのかしないのか?が世界中の話題になっていました。
そんな面倒な話を蹴散らすかのようなエネルギーで踊ってくれたので、見ていた人は胸がスカッとしたのでは?タンゴを見ていたとき、すぐ後ろに座っていた明先生は「なんかチャンバラを見てるみたいだな。」といって「チャンチャンばらばら砂ぼこり〜♪」と歌っていました。うん、確かに。
こういうのが「芸術性が無く、スポーティー」って嫌われるんだろうなぁ。でも、ふたりでくっついてあの動きはたいしたもんだと思うけど…。


ミルコはチャンバラ中?

チームマッチの結果は、アメリカチームの優勝。
去年も書いたと思うけど、その中でアメリカ生まれアメリカ育ちの人ってヴィクター・フォンだけなんじゃないかな?
と、ここでユージンとマリアが引退発表。
世界のトップダンサー達はこの場所で全世界のダンス愛好家に別れを告げることが多い。
それはこのブラックプールという辺鄙な場所が「ダンサーにとってのメッカである」ということを象徴しているかのようです。


引退表明したユージン&マリア



▲ ページの先頭へ